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遺産分割
遺産分割、こんなお悩みはありませんか?
兄弟姉妹間で遺産分割がまとまらない
お悩み1:「兄弟で遺産分割がうまくまとまりません。私(弟)は普通に遺産分割をしたいのですが、兄が『遺産は長男である自分のものだ』と主張し、感情的になって話し合いにも応じません」
お悩み2:「妹は父から生前贈与をしてもらっていますが、私(兄)には何もなし。遺産分割ではその分を考慮すべきだと思うのですが…」
弁護士からのアドバイス
遺産分割におけるポイントは、遺産分割協議がうまくいかなければ、なるべく早めに遺産分割調停の手続きに進んだ方が良いということです。過去の経験から言って、相手に連絡や交渉をしたのに1、2ヶ月たっても反応がない場合、調停に進まなければ話が始まりません。
「調停なんて大げさな」という方もいらっしゃいますが、うまくいかない交渉をだらだらと続けていては、問題を解決するためのレールにすら乗っていない状態と言えるので、問題解決というゴールにはいつまでたっても届きません。
他の問題でもそうですが、遺産分割も本当にケースバイケースです。一般的に相続人の数が多いと遺産分割協議は難しいといわれますが、全員が共通した意見をお持ちであれば人数に関係なくスムーズにまとまりますし、逆に2人だけの兄弟姉妹であっても昔から仲が悪かった、あるいは疎遠になっていて連絡を取っていないという状態なら、交渉でまとまる可能性はかなり低いといえます。それなら早いうちに調停を申し立てて、スタートラインに立ちましょうとお伝えしたいです。
遺産分割とは
遺産分割とは、どの相続財産を具体的に誰に分けるかを決めることです。遺産分割には「遺産分割協議」「遺産分割調停」「遺産分割審判」の3つの方法があります。遺産分割協議→遺産分割調停→遺産分割審判の順で進めていくのが一般的な流れです。
遺産分割協議
相続が発生した際、被相続人による遺言書がない場合に、相続人全員で遺産の分け方について話し合うことです。遺産の分割方法、誰が何を相続するかなどを決めるための第一歩といえます。
遺産分割調停
遺産分割協議を行ったものの、相続人の間での話し合いがまとまらない場合に行う方法です。家庭裁判所において、調停委員に入ってもらい、各相続人が希望する分割方法や分配の比率などを確認しながら、話し合いによる解決を目指します。
遺産分割審判
遺産分割調停でも合意できなかった場合に行われる方法です。遺産分割審判へは自動的に引き継がれますので、改めて審判の申し立てをする必要はありません。
遺産分割における4つの方法
現物分割
例えば自宅や自動車など、遺産を換金せずそのままで分ける方法です。現物分割は、各相続人の相続分に合わせてきっちり分けることが難しいというデメリットがあります。そのため相続人の間で相続する物の格差が大きい場合、一部の資産を売却してその代金で調整したり、より多く相続した人が自己資金で調整(代償分割といいます)したりします。
換価分割
相続財産を売却して得たお金で、それぞれの取り分に合わせてきっちり分割する方法です。この場合は別途に処分費用が必要なこと、譲渡取得税がかかることなどを考慮する必要があります。
代償分割
土地や建物などを相続人の1人(例えば長男)がまとめて取得し、その代わりに自己資金で他の相続人に金銭などを他の相続人に交付する方法です。
共有分割
遺産の一部、または全部を相続人全員で共有する方法です。この方法のデメリットは共有する相続人が死亡した場合、新たな相続人の名義が加わるため、将来売却することになった時の手続きが複雑になる恐れがあることです。
結果的に問題の先送りになってしまいがちなので、あまり良い分割方法とはいえず、最後にとるべき方法とされることが多いです。
遺産分割の流れ
遺言書の有無を確認する
最優先すべきは被相続人が遺言書などを残していないかどうかの確認です。遺言書がある場合、遺産分割協議をするより先に遺言を優先しなければならないからです。
遺言書には自筆証書・公正証書・秘密証書などの種類がありますが、場合によっては内容や書き方が正当かどうかを確認する必要があります。
相続財産を確認する
遺言の有無が確認できたら、続いて遺産相続がどれくらいあるのかを確認します。預貯金や不動産などのプラスの遺産、そして借金などマイナスの遺産も全て洗い出します。土地や不動産に関しては、金額に換算する作業が発生する場合もあります。
相続人を確定する
遺産相続において、誰がどの財産を相続するかは、相続人全員の同意を得なければなりません。1人でも同意しなければ遺産分割協議そのものが無効になってしまいます。場合によっては、被相続人の出生から死亡までの戸籍をもとに相続人を確定していく必要があります。
遺産分割協議を行う
遺産分割において、具体的に分け方を決めるための最初の話し合いです。すべての相続人が対面で話し合うことが望ましいですが、遠方に住んでいたり外出が難しかったりする人がいる場合、書面でのやり取りや調停・審判も考えておくほうがいいでしょう。
遺産分割協議書を作成する
遺産分割協議で話し合って決めた内容を「遺産分割協議書」として書面にまとめます。書面として残すことで、遺産分割協議で相続人全員が同意していると証明することができます。さらに後々、相続人間で「言った」「言わない」の争いになるリスクを減らすことにもつながります。
法定相続分以外で不動産の相続をする場合は、遺産分割協議書の提出を求められます。そういったケースは必ず用意しておくことをおすすめします。
被相続人が遺言書を残している場合は基本的に作成が不要ですが、遺言書に不備があり無効となった場合は遺産分割協議書が必要となります。
遺言書が存在する場合でも、本当に遺産分割が必要ないのか、弁護士などの専門家にチェックを依頼すれば安心です。
話がまとまらない場合は調停・審判を行う
遺産分割協議で話がまとまらない場合は、遺産分割調停または遺産分割審判を申し立てることになります。
【遺産分割調停または審判に必要な書類】
・申立書(1通)およびその写し(相手方の人数分)
・標準的な申立添付書類
・被相続人の出生時から死亡時までのすべての除籍戸籍・改製原戸籍謄本
・相続人全員の戸籍謄本
・相続人全員の住民票または戸籍附票
・遺産に関する証明書(登記事項証明書や預貯金などの残高証明書など)
遺産分割協議を弁護士に依頼するメリット
専門家によるアドバイスで不利益を避けられる
遺産分割を進めるとき、必要なのは法的に正しい知識です。たとえば「誰が相続人になるのか」「それぞれの相続人にどの程度の相続割合が認められるのか」「意見が合わないときにはどうしたらよいのか」など、すべて法律で決められています。知識がないまま協議をしても紛糾しやすく、不利な条件で合意してしまう可能性もあります。
弁護士に相談をすると、正しい知識が得られるので安心ですし、不利益な条件で和解しようとしていたら指摘してくれるので、最善の方法で遺産分割協議をまとめることが可能です。
遺産相続トラブルの予防・解決が可能
遺産分割協議を行うとき、できればトラブルは避けたいもの。ただ、意見が合わず感情的に対立してしまうケースがあります。もめごとになりそうなとき、事前に弁護士に相談をすると、法的な正しい考え方や解決方法を確認できるので、合意への指針となります。全員が納得して合意できれば、トラブルにならずに解決できるでしょう。
協議では自分たちだけで解決できず、トラブルになってしまうケースはあります。そんなとき、弁護士に相談するとトラブル解決のサポートをしてくれます。相手方との交渉を任せることができますし、交渉が決裂したら家庭裁判所で遺産分割調停の代理人なども依頼できます。弁護士が交渉すると、相手も感情を抑えて法的な考え方を受け入れやすいので、話がまとまりやすくなります。
遺産相続に関する専門家には司法書士や行政書士などもいますが、トラブル解決を任せられるのは弁護士だけです。
膨大な手間がかかる調査や手続きを任せられる
弁護士には相続人調査や相続財産調査、遺産分割協議や家庭裁判所での遺産分割調停、遺産分割審判といった手続きを依頼することが可能です。
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相続人調査
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相続財産調査
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遺産分割協議
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遺産分割協議書の作成
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遺産分割調停・遺産分割審判
精神的なストレスが軽減する
遺産分割の手続きは、当事者にとっては大きなストレスとなります。これまで仲の良かった兄弟姉妹でも、過去の恨み辛みなどを持ち出して感情的な対立になるケースも少なくありません。相続人の世代も60代以上の高齢であることも多いので、長年にわたるトラブルは非常に負担です。
弁護士に遺産分割協議や調停を任せてしまえば、自分で相手と直接やり取りしないので精神的なストレスを軽減できます。また「法律の専門家に任せている」という安心感もあり、話し合いが少々長びいても生活や精神状態に与える悪影響が小さくなります。
遺留分請求を相談・依頼できる
遺産相続が発生したとき、法定相続人だからといって必ずしも遺産をもらえるとは限りません。ときには遺言が残されていて、法定相続人の取得分が減らされたり、なくなってしまうこともあります。
たとえ遺言があっても、相続人に最低限保障されている遺留分を取り戻すことができますが、相続人本人が遺留分の請求を行うのは大変です。相手と感情的な対立があるので大きなトラブルになるケースもありますし、遺留分の請求期限(相続開始と遺言を知ってから1年間)を過ぎて請求できなくなってしまうことも少なくありません。
弁護士に相談すれば、確実な方法で遺留分請求を進め、相手と交渉をして取り戻してもらえます。
遺言が有効かどうかの判断を依頼できる
遺言書が残されていても、必ずしも有効とは限りません。ときには要式を満たしておらず無効になるケースがありますし、場合によっては誰かが偽造したり手を加えていたりする可能性もあります。
弁護士に相談すると、遺言書の要式や筆跡、保管状況などの点から遺言書が有効か無効か判断してもらえます。不明な場合には「遺言無効確認調停」や「遺言無効確認訴訟」などの方法により、法的に遺言書の有効性を確定することも可能です。
使い込まれた預貯金を取り戻す依頼ができる
遺産相続の際、被相続人と同居していた相続人が遺産の内容である預貯金を使い込んでいてトラブルになることもあります。預貯金の使いこみ問題も、相続人間で話し合ってもなかなか解決できないトラブルの一つです。
弁護士に依頼したら、過去の預貯金取引履歴を取得して内容を精査し、当時の被相続人の状況なども調査して「本当に使いこみがあったかどうか」「どのくらいの金額が使い込まれたか」を確定します。相手が返還に応じない場合には、訴訟などによって取り戻すことも可能です。
相続人が行方不明の場合の対応を依頼できる
遺産相続の際、一部の相続人が行方不明になっていて非常に困るケースがあります。遺産分割協議には相続人が全員参加しなければならないので、行方不明の人がいると相続手続きを進められないからです。
このような場合には家庭裁判所で「相続財産管理人」の選任を行います。ときには失踪宣告によって対応できるケースもあります。
弁護士に相談すれば、状況に応じて適切な方法で遺産相続手続きを進めてもらうことが可能です。